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タナ障害は膝関節に痛みを起こす疾患で、膝関節の中にある滑膜ヒダによる障害である。このヒダは関節鏡でみると膝蓋骨(膝のお皿)の内側に棚のようにはり出して見えることから「タナ」と呼ばれています。このタナは正常な人の膝でも約半数に見られ、それ自体は障害の原因にはならないのですが、タナが大きく厚い場合は膝の曲げ伸ばしのとき関節に挟まったり、こすれたりし痛みを起こします。
特にスポーツなどで繰り返し膝関節にストレスが加わり、また、打撲などの外傷により発症する場合もあります。このような痛みを「タナ障害」といいます。
タナ障害は10代の女性に多く見られ、膝の腫れや熱感はなく、膝蓋骨の内側縁に痛みがあります。(まれに外側縁に痛みがでることもあります。)症状は膝の屈伸時に「ひっかかり感」と痛み、そしてしゃがんだり立ったりするときのパキンという弾発音が特徴である。また、まれに膝崩れという症状を伴うこともあります。
スポーツ指導はまずジャンプや瞬発系動作の制限や症状の程度によってはジャンプや瞬発系動作を中止し、練習前に充分なウォーミングアップとストレッチングを行い、特に大腿前面・大腿後面のストレッチングは充分にするよう努め、症状の程度が重度で日常生活動作にも影響が出る際はスポーツ活動を中止し極力安静を保ちましょう。
アイスマッサージ・アイシング・湿布・ストレッチング・電気治療などは痛みを軽減させるのに効果的です。また、練習時や試合時はテーピングにより痛みを軽減でき、スポーツ活動は可能です。
タナ障害は一般的に経過がよいので心配はありません。しかし、数ヶ月経過しても痛みが軽減しない場合や日常生活動作に支障をきたすようであれば、手術の選択という場合もあります。現在の症状がスポーツ活動の制限期か中止期か、あるいは軽度にスポーツ活動が可能な時期か、的確な判断を要します。的確な判断を怠るとスポーツ活動の長期間制限を余儀なくされ、手術の選択を避けられない場合もあります。自己判断もいたずらに治療を長引かすことになりかねません。自己判断はせず、かならず専門医の指示を守り、適切な治療・指導を受けましょう。
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